第9回  「車上狙いに注意」


いったん情報漏洩が発覚すると、当事者はその対応処理に大変な労力と時間を費やすことになります。そして情報の内容や量によっては多額の賠償金請求といった事態を招くことにもなりかねません。現金はもとより、個人情報の入ったパソコンや外部記録媒体、書面などの貴重品が車上狙いの被害に遭うケースが目立っています。以前、学校の教師が車上狙いの被害に遭い、生徒の個人情報の入った外部記録媒体などを盗まれたとの報道も目にしているところです。普段気をつけていても、ちょっとした油断から思わぬ被害に遭うこともあります。

盗難事件の類型で一番多いのが自転車盗、次に車上狙いということですが、その車上狙いの被害では施錠の有無別での被害は

 施錠あり 47%   施錠なし 53%

という数字が出ています。施錠の有り、無しの数字にそんな大きな違いはありませんが、施錠してあっても狙われればやられるということです。しかし、施錠してないということは「どうぞ盗んで下さい」と言っているのと同然です。次に狙われやすい場所、狙われにくい場所では

・狙われやすい場所
 裏通りのアパートなどの駐車場・・・0時過ぎの深夜の時間帯
 深夜のファミレスなど深夜飲食店の駐車場・・・客が長居する

・狙われにくい場所
 夜間明るい駐車場
 警備員が巡回していたり、また防犯カメラが設置してある場所
 防犯カメラ設置とか防犯パトロール実施中など防犯活動に関する看板や旗などが立てら
 れている地域

尚、犯行を目論んでいるその日、警察官の姿を見掛けるとその当日の犯行は断念すると車上狙いのプロが述懐しています。「貴重品は車のトランクに隠したから安心だ」はいけません。車上狙い犯がその様子を見届けて犯行に及んだケースも実際にある訳です。

業務上、顧客等の個人情報などを扱っている方も多いかと思われますが、個人情報の書類等を車内に置いたままにして車両を離れ、これが盗難被害ともなればお客様等に多大な迷惑をかけることとなり、その結果は重大です。「車にロックしたから大丈夫」は禁物、車内に貴重品を置いたままにして被害にあったのでは弁解の余地はありません。油断禁物です。