廃棄物処理法は難解(その1:法改正の連続)


このコラムの読書の皆さんからは、話題が専門的過ぎて・・という声が聞こえてきそうですので、少し切り口を変えて廃棄物処理法の歴史を辿りながら、廃棄物の適正処理について考えてみたいと思います。 廃棄物処理法は、旧清掃法を全面改正して昭和45年の「公害国会」で成立しました。今回このコラムを書くにあたってその時の条文を改めて調べてみますと、現行法と比較して大変にすっきりとした感じがします。第1条から始まって第30条で終わっており、枝番はありません。また、第9条「し尿浄化槽清掃業」と第24条「不服申し立て」の2条の規定は、現在では別法令に移行していますので、実質28条から成る法律だったことになります。その後の法律改正の状況は次表の通りです。



法律改正の回数は平成2年頃まではそんなに多くありませんが、平成3年を境に急増しています。また、法律制定から46年間で48回の改正が行われた結果、現行の条文は150条を超えるまで増加しており、制定当初に比較して3倍超の条文で構成されていることになります。最も顕著な事例を挙げれば、第15条の「産業廃棄物処理施設」の条文で、制定時には1条だけでしたが、現在では31条で構成されており、産業廃棄物処理施設の設置手続きや維持管理等に関して多くの規定が追加されてきたことがよく分かります。

ここまで書いたのは法律本文の改正状況で、実際にはその下に施行令(政令)や施行規則(省令)が本文を補足する形で規定されていますので、それを勘案すれば、この法律の関連条項は莫大な増加数となっています。

それでは、なぜこんなにも法律は何回も改正されてきたのでしょうか?その理由は、大きく分けて2つあると言われています。読者のみなさん是非お考えになってみてください解答と解説は、次回以降で。