TUBOJUNコラム Vol.14


「心の肥満」


皆さん、こんにちは!今日は3月3日のひな祭り。我が家も娘が二人。ひな飾りを出すのは10回目となります。狭い家なので三段のひな飾りにしたものの、それでも結構な空間を占有されます。出し入れの面倒さもあるし今さらながら一段の小さいヤツの方がよかったかな・・と。居間の片隅に鎮座するひな飾りを眺めるたびに情緒の無い考えが浮かぶひな祭り前後の日々。そんな感じで1週間前に45回目の誕生日を迎えたTUBOJUNです!

誕生日という一つの区切りを迎えるにあたり心身ともにリセットをしたいと実は考えていました。というのは、今年こそ「酒の量を減らす」と抱負を立てながらここ1年以上休肝日が無いことに自己嫌悪を覚える日々。そしてその影響なのか明らかに胃腸の状態、特に腸内環境の悪化を自覚する次第。それらをリセットするには・・?やはりアレしかないでしょう!心身にどういう変化が体験できるのか以前から興味があったアレ。そう、断食。

そんな訳で先週、念願(?)の断食を体験してみました。といっても意思薄弱な私のこと、本格的なヤツではなくいわゆる「プチ断食」。2月26日の誕生日の前にということで22日から24日まで3日間のプチ断食に挑戦です。「プチ」ですから完全に食を断つのは23日の1日のみ。その前後1日ずつは徐々に食事を減らすウォーミングアップ日と徐々に増やす回復日となります。それなら気軽に出来そうでしょう。

世の中には断食道場や断食セットのような施設やツールが存在しますが、私の場合は自宅かつ自己流。また、週末に行うのがおススメのようですが、私の場合は週末の方が体力的な活動量や誘惑も多いので敢えて平日に行うことと決めた。仕事をしていれば気もまぎれるし、体力のいらないデスクワークだし、と。「プチ断食やるぞ!」と決めたら何だかワクワクしてきました。さあ、私の心身に如何なる変化が訪れるのか!?

さて1日目。朝は通常通り、昼はおにぎり小1個とイチゴ3粒、夕食はうどん一杯と軽めにします。もちろん酒抜き。アルコールで朦朧としていないクリアな夜の時間が久し振り過ぎて新鮮に感じてしまうのが情けない。翌2日目は水分のみ。水とお茶を合わせて1日4リットルほど飲む。コーヒーや牛乳はやめておく。野菜ジュースなど多少栄養分のあるものを取る方が良いとも聞くが、どうせ1日だけと思い水とお茶だけにする。そして3日目。朝はおかゆとヨーグルト、昼はおにぎり小1個とみかん1個、夜はうどん一杯。その翌日からは通常に戻る。定石的には断食期間中は安静にした方が良いのかもしれないが、気を紛らわすため3日間とも仕事帰りにスポーツクラブでウォーキングやストレッチなど軽めの運動(といっても3日で20キロ歩いている)は行っていた。

肝心の効果というか変化の程は?残念ながら実感はほぼ無し。体重は2キロ減ったが食べていないから当り前。食べれば戻る。ネット上ではダイエットやデトックスの効果が喧伝されていますが、所詮1日食事を抜いたというだけのこと。そんな極端な変化が現れるなんて虫のいい話はありません。ネット上での煽りは酵素ドリンクなどバカ高い補助食品のアフィリエイト報酬狙いのデマでしょう。唯一具体的な効果といえば1年以上ぶりに休肝日を作れたこと。しかも3日連続で。アルコール抜きの夕食は味気無いと考えていたが、食事自体を取らないと決めれば自動的に休肝日となった。胃腸だけでなく肝臓も含めた内臓全体を休息させるという意味ではプチ断食を習慣化してもいいかも。

それより気付いた二つの重要なこと。一つは食べ物に対してと食事が出来る境遇とに対する感謝の気持ち。もう一つはプチな断食では殆ど効果が感じられなかったことと表裏をなす事実。それは1日くらい食べなくても何ら問題無いということ。規則正しい食事習慣を否定する訳ではないが、毎日三食必ず食べなければいけないと考えるのは現代の飽食が生み出した強迫観念。現代人より運動量の多かった時代なら体からの要求に従って食べればよかった。しかし、私たちは既に十分な食事を取っている。その上で貪欲に食欲を満たそうとするのは肥満した体からの要求ではなく、食べるという強迫観念が生み出した心からの要求です。ユダヤに伝わる格言。

「人は食べることにより死に、食べないことにより生きる」

ユダヤ教の聖典「ヘブライ聖書」に出てくるアダムとイブやノアの大洪水の物語をご存じの方は多いでしょう。人間の最も基本的な欲求である食欲について説いています。神は過食美食する自由を人間に与えた。その代わり寿命が短くなるという選択肢を、神は人間に与えた。デトックスする必要があるのは体の肥満以上に「心の肥満」ではないでしょうか。

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