TUBOJUNコラム Vol.17


「日本人のメンタリティと空き家問題」


皆さま、こんにちは!世間ではすっかりクールビズが定着して5月から夏向けの軽装を認める会社の方が主流になりつつありますが、当社の場合は今日6月1日が衣替え。クールビズなんていうなし崩し的な拡大解釈より「衣替え」の方が心身共に季節が変わる情緒を感じて私は好きです。といっても8ヵ月ぶりに着る夏用のスーツが果たして入るか!?このところ微妙にご飯の量を減らし小さな我慢をしているTUBOJUNです!

昨年施行された「空き家対策特別措置法」に基づき平成28年度税制改正では「空き家に係る譲渡所得の3千万円の特別控除」が創設されました。空き家問題に関してはこのコラムでも何度か取り上げている通り関心のあるテーマ。当社としても空き家譲渡に対する税制や空き家解体に対する補助金の情報などを絡めた空き家問題に関するセミナー開催を検討しています。そんな訳で空き家問題に関しての情報を集め考えていると、あることに気付きました。それは・・。

空き家問題の本質は何にあるのでしょうか?一般的に云われている税制。硬直的な税制も一つのキーでしょう。そして人口の減少、世帯数の減少、都市部への人口集中の問題。需給関係で見れば住宅は既に相当余っている。かつての日本には土地神話などというものが存在しましたが、人口の急速な減少に伴い都市部など一部を除き今後は明らかに土地も余る。人口動態の変化は確かに空き家問題の本質なのかもしれません。しかし私は思うのです。果たしてそれだけか?と。

様々な調査によると日本人の7割は「自分は無宗教だ」と答えるそうです。一方で人口の7割を超える9千万人近くが正月には初詣に行くと答えるのです。盆暮れの帰省ラッシュにも凄まじいものがある。無宗教と自称しながら初詣やお墓参りにはメッカ巡礼をも凌ぐダイナミズムを見せる日本人というもの。制度化された宗教は嫌いだけど空気のように馴染んだ自然宗教や市民宗教は好きというメンタリティが顕著です。制度化されていない宗教の特徴は無自覚であるということ。日本人の大半が無宗教だと自称する理由がそれなのです。

ならば、空気のように馴染んだ自然宗教・市民宗教とは一体何か?民俗学の大家である柳田國男は、日本人の信仰生活の核心にあるのは祖先を崇拝する「先祖教」だと位置付けました。柳田が指摘する先祖教のポイントは、死者の霊が故郷の家の近くに留まっていること(身近な所から見守って欲しいという宗教観)や、この世とあの世の交流が自由であること(その代表的な宗教行事が正月やお盆)です。柳田がこの説を開陳したのは戦後間も無くの頃に刊行された「先祖の話」に於いてですが、核家族化が進んだ現代にあってもその行動様式を見れば日本人のメンタルの深い部分には先祖教が今だ存在しているのは間違いありません。

そのため日本人の大部分は「家」というのは生きている人間だけが住んでいる場所ではないと心の根底では考えるのでしょう。もちろん住んでいるのは神棚、仏壇、地の神様などカタチとしてあるものと共に住むご先祖様です。また、仏教学者の末木文美士は「社会の問題は生者だけの事情で考察するのではなく、死者も入れて考えなければならない」と発言しています。「誰も住んでいないなら解体して更地にして売ろう」と考えるのは先祖教からすると「生者の傲慢」です。空き家には誰も住んでいないのではありませんから。

先祖教という日本人のメンタリティが空き家を始末する決断の先送りを促している。そして先送りの結果、時間の経過とともに資産価値の低下を生み、人口動態の変化とともに不動産の流動性も失い、さらにそのうち二次、三次の相続が発生し問題はより複雑化する。従って空き家対策特別措置法のような対症療法的な施策では日本の空き家問題はそもそも解決しない。というのが空き家問題の本質をめぐる私の仮説、いや珍説。コラムのサブタイトルの通り虚言放言の範囲のオハナシですので悪しからず。

さて、当社からメルマガ読者の皆さまへお知らせ。6月と7月は個人の解体工事のご契約を対象に見積金額から10%を値引きする特別キャンペーンを開催します。値引き総額が一定に達した時点でキャンペーンは終了となりますのでお問い合わせはお早目に!また、当社の解体専用サイトhttp://hamamatsu-kaitai.com/にてキャンペーンキーワードに答えて見積依頼された方にはもれなく千円分のクオカードをもれなく進呈。この機会を是非お見逃し無く!

お得なキャンペーン情報はコチラ http://www.recycle-clean.co.jp/
TUBOJUNの日々の仕事の様子はコチラ http://bpprt344.hamazo.tv/


バックナンバー