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もし福沢諭吉がドラッカーの『マネジメント』を読んだら

P.F.ドラッカーの『マネジメント【エッセンシャル版】』を久し振りに再読しています。いちプレーヤーだった初読の頃に比べ、この10年ほどの経験により「なるほど!」と実感する定義は増えた。部分部分では確かに腑に落ちる。しかし、全体的にはやはり分かったような分からないような・・。

思うに、その理由。当然、一般論として漠然と読むのではなく自社あるいは自分(たち)に置き換えながら読み進めるのですが、ドラッカーの『マネジメント』は中小企業に触れる部分もごく僅かあるが、基本的には大企業の目線だということ。だから置き換えのイメージが湧き難いというのがまず一つ。

もう一つの理由。「マネジメント」という言葉。それって、そもそものところ一体何?ということ。そのものズバリ相当する日本語が無い。これも実は分かったような気にさせる「ビッグワード」の一つかもしれません。もし福沢諭吉が『マネジメント』の原書を読んだら如何なる日本語に置き換えるのか?有り得ない想像ですが、興味深い。

給料の3%

石坂典子(著)「五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る」という本が12冊。竹本経営企画室長の発案にて購入。来週に行われる部門長会議で配布し、課題図書とするようです。もしかしてレポート提出も必須?「そうらしいよ」と何人かの工場長に言うと、「え~っ!」「活字は苦手・・」「そんなの絶対無理ムリ!」と戦々恐々としている様子。

著者(といっても口述をライターがまとめた本だろうが)の石坂典子氏は埼玉県にある石坂産業という産廃会社の二代目社長。男性社会である産廃会社を若き女性社長が改革・成長させたとしてメディアへの露出も割と多い方。この本は未読ながら、雑誌等での記事は目にしているので内容は何となく想像できる。同業者であり、かつ会社の規模感も同等、内容的には非常に平易。マネージャーたちにとっては格好のテキストになるでしょう。

ところで、私が某金融機関の新入社員だった頃、OJTのテキストの1項目に「給料の3%の本を読む」とあったのを今でも覚えている。転職した後も、三十代半ばまでの10数年間は「給料の3%」を意識し続けたつもりです。読まなくても、買ってはいました(いわゆる「積ん読」)。もちろん漫画・雑誌は含まず。三十代も半ばを過ぎればアウトプットの方が要求されます。そのためには若き頃ある程度のインプット量は必要です。少年老い易く学成り難し。当社の若手社員諸君も「給料の3%」意識してみては?

 

「給料の3%」といってもお金はなるべく節約したいところ。貧乏性を自認していますから。中古本(を買うことが多い)は定価とみなします。今まではブックオフの100円コーナーとAmazonのマーケットプレイスを得意としていましたが、最近は図書館。ごく最近まで「自腹を切らなきゃ身に付かない」という持論を語っていたが、そんなコダワリは捨てた。人生は短く、同じ本を二度読むことは滅多無い。昼休み、さっと昼食を済ませ、会社から車で数分の天竜図書館へ向かいます。

今借りているのは、この軽めの3冊。とはいえ買えば7200円になる。Webで検索、予約、市内の別の図書館から取り寄せも出来て非常に便利。ただいま「昼休み図書館」にハマっています。

 

昼休みといえば、弁当持参しない日の昼食は、これが定番セット。

ローソンのふすまパン「ブランパン」とグリーンスムージー。それにアロエヨーグルト。合計272キロカロリー也。まるでダイエット中の女子みたい。変に我慢している訳ではなく、単にこれが好きというだけ。十分な満腹感も得られます。ただ最近、体重はあまり変わらなくても体脂肪率が3%ほど上がっていたのは、多少気になる。油断大敵。

さあ、昼食を済ませたら、早めに仕事を切り上げ、図書館に行きましょう。その後はジムに行って筋トレ少々後1時間走る。そして帰宅して家族と夕食を共にできれば、公私に充実した土曜日。満足です。

団体医療保険の導入説明会

昨晩は大川工場にて団体医療保険の導入説明会。社員とその家族の福利厚生を目的として、団体割引を適用した割安な医療保険の取り扱い開始の説明会です。当社の保険代理店部門である協同センターの佐藤所長と朝田さん、そして、損保ジャパン日本興亜のご担当者様の尽力により3月から制度スタート出来そうです。

福利厚生の制度ですから、やってもやらなくても日常の業務には支障ありません。逆に、やれば自分たちの仕事が増えるし、やらない方が楽。新しい事に取り組むのを、面白いと考えるか、面倒だと考えるか。その違いは「主体性」でしょう。社内でもよく、「○○から言われて」と聞きますが、その言葉には「やらされ感」が漂います。何ごとも主体性を持って取り組みたい。それが当り前であり、かつ今一番のテーマ。

 

自身の備忘録として。

よく名著として話題に出る中国古典の「菜根譚(さいこんたん)」を読んだ。400年ほど前の明代に記された処世訓であり、儒教・道教・仏教の三教一致の立場から説く思想書。松下幸之助、田中角栄、川上哲治、野村克也などの著名人がこぞって愛読書に挙げるとされる本です。

而してその感想は・・。人が羨む富や名声を得た成功者が自らへの戒めとして読むのは良いのでしょう。既に得られた後ですから。しかし、一般人や凡人にとっては消極的過ぎると私は思いました。「金持ちより貧乏の方が良い」「逆境にこそ福がある」「風流を愛でよ」的な警句が並びますが、出口の見えない貧苦の真っ只中に居る人にとっては酷な言葉です。

そんな感じで合計357条の警句は、似たような事を言い回しを変えて、しかも深過ぎる学識を披露しながらやたら凝った言い回しで延々と続く。そもそも富や名声を得た成功者は人並み以上の情熱や欲があった訳で、それらを否定する「菜根譚」を座右の書の如く挙げるのは、よくある「卑下自慢」という芸の一種かな、と。富も名声も無き市井の凡人は思うです。

それはさておき、今年読んだ本はこれが10冊目となりました。備忘録としてその前の9冊を記すと以下の通り。

「打ちのめされるようなすごい本」 米原万里

「アマゾン・クライマックス」 醍醐麻沙夫

「こころの処方箋」 河合隼雄

「イン・ザ・プール」 奥田英朗

「空中ブランコ」 奥田英朗

「町長選挙」 奥田英朗

「パンツが見える」 井上章一

「最悪」 奥田英朗

「サバイバル登山家」 服部文祥

晩酌をやめればもっと読めるんだけどなぁ、というのが常なるジレンマ。いつだったか、博識を売りにする佐藤優と池上彰の二人が対談で「酒を飲むのは人生の無駄」と、酒を読書の敵として喝破していた。それは分かる。でも、まあ、実利的にがつがつ読書するより、酒を飲んでうだうだする方が「菜根譚的人生」かもしれません。